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 鍼灸治療室の中川です。

 私は、学生時代からの腰痛持ちですが、今や10代の若者すら悩ます言わずと知れた代表的な国民病のひとつです。

 実際に、当室にいらっしゃる方も、腰のお悩みをお持ちの方が一番多いのも事実です。

 

 

 太古の中国では人体の「こし」を表す文字として「要」という字を使っていたそうです。

 

 「要」は、両手を腰に当てて立っている人の姿を模した象形文字で、後の時代に「かなめ」という意味でも使われたことから紛らわしさを避けるために、「こし」を意味する方に「肉」を意味する「月(にくづき)」を付けたのだとか。

 

 物事の大事な部分を意味する「要」という文字は、人間の腰に由来するようです。

 

 腰痛の原因は、様々です。

 

 代表的な疾患は、”腰痛の王様”とも呼ばれる「腰椎椎間板ヘルニア」です。

 

 腰のヘルニアは、椎間板の水分量が多い20代~40代によく見られます。

 

 一方で、年齢を重ねた方に多いのは、「腰部脊柱管狭窄症」です。

 

 歩くのが辛くなってしまったり、お尻や足に坐骨神経痛が出現します。

 

 この二つの疾患は、MRIなどで撮影した画像を基に診断がつく場合が多いですが、実は腰痛の85%は原因が分かっていません。

 

 原因が分からない理由は、レントゲンやMRIでの解析には限界があるという事と、腰には痛みを出す可能性が高い組織が密集し過ぎているという事があげられます。

 

 また、食生活や生活環境、社会的もしくは心理的要因が幾多にも絡み合って腰痛を完成させている場合が多いというのも理由の一つです。

 

 痛みがあるならば、その原因があるはずですが、その原因は様々な要素が少しずつ関与しているため、主な原因が見つけにくいのでしょう。

 

 2003年に京都大学の福原俊一先生のグループが20~80歳の方を対象に行った腰痛の全国調査では、およそ30%の方が腰痛を抱えていたそうですが、男性の腰痛の割合は、年齢の上昇に比例していなかったとのことです。

 

 この調査が示しているのは、腰痛を引き起こす種は20歳までに完成している可能性があるということです。

 

 身体が元気な時は、多少の負荷でも症状は出ませんが、負担が徐々に蓄積して腰の限界点を超えてしまうと症状が出てきてしまいます。

 

 ギックリ腰になってしまう方も、ほとんどの方が症状を起こすまでの期間の蓄積によって強烈な痛みに繋がると考えられます。

 

 私も長年の腰痛持ちなので、ぎっくり腰には過去三回なったことがありますが、ただ歩いていただけで突然、腰から背中全体に雷が落ちたような衝撃が走り、動けなくなってしまったことがあります。

 

 ぎっくり腰の患者さんは、湿度が高い梅雨の時期に多い印象ですが、これから気温が寒くなって筋肉が強張りやすくなる時期にも注意が必要です。

 

 ぎっくり腰にも様々な原因と種類がありますが、その多くに鍼灸治療は絶大な効果を発揮します。

 

 私自身の過去三回のぎっくり腰も鍼の治療で、驚くほどの回復を見せました。

 

 しかし、ぎっくり腰になってからではなく、予防としての腰のケアを強くお勧めいたします。

 

 自身の腰を自分で揉みほぐすのは中々大変ですが、腰に効果のあるストレッチや体操はたくさんありますし、腰以外の部分を指圧することで、自分の腰を癒すこともできます。

 

 腰は人体の要だけあって、体のいかなる部分とも連動していると考えられているからです。

 

 そのため、腰に関連のあるツボは、全身にたくさん存在しているのです。

 

 私が今回ご紹介する腰のツボは、すべて「手」と「足」にあるので、セルフケアとしてもご活用いただけると思います。

 

 手や足などの末端の部位は、感覚が鋭敏なため、少ない刺激でも十分に効果を発揮することが出来ます。

 

 

 手の押しやすい場所で、お勧めしたい腰のツボが「腰腿点(ようたいてん)」です。

 

 「腰痛点(ようつうてん)」とも呼ばれます。

 

 この腰腿点は、片方に2カ所ずつありますが、どちらも指からの延長上にある「中手骨」という手の甲側から触れることができる骨の間にあります。

 

 特にお勧めなのは、人差し指と中指の間の腰腿点です。

 

 手の甲の側から、人差し指と中指の骨の間を、もう片方の手の中指でたどっていって下さい。

 

 上の写真に示した場所のあたりで、中手骨の溝が行き止まりになっていると思います。

 

 そこが腰腿点です。

 

 もう片方の手の中指を横に寝かせて、中手骨の溝の終点を、肘の方向に押してみて下さい。

 

 心地良い程度に押したり、肘の方向にゴリゴリと指で流しても効果的です。

 

 腰腿点は、ぎっくり腰の治療でもよく使われるツボですが、程度の重いぎっくり腰になってしまった際は自分で押してもあまり効果がないかもしれません。

 

 あくまで、予防軽い腰痛の時に使ってみて下さい。

 

 

 続いては、足にある腰のツボです。

 

 上の写真に紹介されている場所を自分で押してみるだけでも効果は期待できますが、この3つのツボは「せんねん灸」などのセルフケアのお灸で温めることをお勧めします。

 

 せんねん灸は、一般的な薬局でも販売している所もあります。

 

 足の先は、身体の中で心臓から最も遠い場所で血流が滞りやすい場所です。

 

 特に冬は、寒さによっても血流が悪くなってしまいがちです。

 

 入浴などで温めるのも良いですが、足先のように冷えやすい部分をピンポイントで温めることが絶大な効果を発揮するのです。

 

 そういった意味では、足湯も大変効果的ですが、お灸はさらに局所的に温められるので、さらなる効果が期待できます。

 

 人間の細胞は血液の運搬によって栄養や酸素を供給されています。

 

 すなわち、細胞にとって血流はライフラインなのです。

 

 しかし、人間の身体は複雑な構造をしているために、血液が供給しにくかったり、血流が悪くなりやすいところがあります。

 

 そのようなところを押したり、温めることで刺激して血液を集めてあげることで、全身にまんべんなくエネルギーを供給することができるのです。

 

 指圧やお灸よりも局所的に刺激を入れることが出来るのが、鍼の治療です。

 

 はり師の方は、自身でもケアができますが、そうでない方は是非一度、鍼灸院に足を運ばれてはいかがでしょうか。

 

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